わかり易い研究をどう届けるか

研究室

こんなニュースがあった。

 大学の研究分かる冊子作製~商品開発のヒントに 山口の財団~
 YOMIURI ONLINE 地域 山口


商品開発や事業化のヒントにしてもらうため、やまぐち産業振興財団(山口市)は、県内の大学研究所が開発した技術を分かりやすく紹介する冊子を作製(中略) 専門家でなくても理解できるよう、外部ライターに原稿執筆を依頼、平易な言葉を使ってもらい、研究者の顔写真やホームページアドレスも掲載した。(以下省略)


やまぐち産業振興財団はこれをきっかけに県内の知的財産の利活用を呼びかけていくらしい。
確かに文字は多いものの、第三者視線からの取材風で構成されていて、その研究がなんであるか”わかり易い”

 >やまぐち地域資源活用研究者シーズ集

こうした取り組みもまたサイエンスコミュニケーション活動の一つであろう。

ただ

産学官連携関連の資料にあったり、実際の担当者の方と話をしたりしていると、公的研究機関や大学だけではなく、最近では結構、公設試や自治体の産業復興部門でも同様の”わかり易い”研究紹介資料を作成している(”わかり易さ”の度合いは様々)。
2~3年位前は、教授と大学の関係がどうの々等でWebに載せることを渋っていた団体も普通にWebに挙げるようになってきた。
紙媒体となると、その機関の受付とか応接施設に陳列してあることが多いが・・・

やまぐち産業振興財団は

「産学連携に取り組んでいるが、地場企業からみると、大学はあまりなじみがない。県内に商売のタネが転がっていることを知ってほしい」


と話をしている。

タネ(シーズ)は蒔くところや季節が違えば芽がでてこないし、水をあげる人に届けるのも必要になる。

企業向けを考えた場合

・研究を知ってもらう。
・研究に興味をもってもらう。
・研究を活用してもらう。
さらには
・研究に協力してもらう
・研究を買ってもらう。

ことが必要なわけで、

単に判り易い資料があるだけでは進展はない。

マーケティングだとか、広報だとか、資料を適切な場へ適切なタイミングで送り届けるノウハウと仕組みが求められる。
当たり前と言えば当たり前なのだが、ちょうど(産学官連携ではないが)似たような取組をしていて、改めて”伝わる”仕組みつくりの難しさを感じている。

”わかり易くする”+αをもっと身につけていきたいなと思う次第。

関連エントリー
「デジタルジャパン」戦略に想う。伝わる仕組みの重要性。
「経営者」に伝わる科学技術
「伝える」のではなく「伝わる」
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2009/05/20 23:00 | サイエンスコミュニケーションCOMMENT(2)TRACKBACK(0)  TOP

コメント

わかりやすく=平易な言葉なのかなと

いつも悩むところで、説明が過不足無くなされていることと、平易な言葉で書かれていることは両立しないのではないかという思いがあります。
「わかりやすい」には、「誰にとって」があるはずで、そこを曖昧にしたまま、こういう仕事は進みがちなのです。

むずかしいですね。

No:55 2009/05/21 09:38 | 若だんなat新宿 #- URL [ 編集 ]

Re: わかりやすく=平易な言葉なのかなと

むずかしいですね。

私たちもその辺の線引きでよく悩みます。ビジュアルで訴求するか、内容で勝負するかとかも。
「誰にとっては」ペルソナまでいかなくても想定顧客をかなり議論しますね。
相手を絞ったものの、じゃその相手の”わかり易い”の基準はどこ?ってところでまた悩むんですけどね・・・
顧客はそれほど気にしてなかったりするですが・・

最近は高校の時は見もしなかった物理の教科書とか眺めてたりしてます。

むすかしいですね。

No:56 2009/05/22 09:57 | M322 #- URL編集 ]

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