鳴り止まぬ拍手。石井裕MIT教授・メディアラボ副所長講演

MIT.jpg

国立情報学研究所オープンハウス2009に行ってきた。

一番の目当ては基調講演の。

 「独創・協創・競創の風土とタンジブル・ビット」
  石井裕(MIT教授・メディアラボ副所長) 

アラン・ケイに見染められてMITにいった石井裕教授。
一度、生でお話を聞いてみたいと思っていた。

1時間はあっという間。
終わりの拍手が鳴りやまない講演は初めて。
これがコンサートならアンコール!となりそうな高揚感に会場が包まれていた。

無理やり調整して行った甲斐があった。
石井教授を知ったのは5,6年前(ぐらいかな)。

十何年前からずーと開発に携わっていた固定電話や携帯電話のネットワークオペレーションシステム。
電子化された声やデータをコンピューター上で可視化し、監視、制御するシステム。
テキストベースからグラフィカルな画面に移行する過程で、より直観的に認識する方法は何があるか常に考えていた。

いってみれば、いまの自身活動の原点とも言うべき、
「見えないものを見えるようにする」取組み。

その中で出会ったのが、石井教授がNTT時代に始めた

 『タンジブル・ビット』

ネットワークのトラフィックを制御するシステムで、パックと呼ばれる丸い駒を実際にテーブルにおいて動かすことで操作する。
img_cache_dc_543_1_1193528635_jpg.jpg

この写真のコンピューターはネットワークで問題が起きたとき、どこに問題があるか、どうやって解決すればいいかを複数の人間がテーブルを囲んで議論しながら行える。
ちなみに(多分)これを応用したシステムがこれ↓
「タンジブル防災シミュレータ

画面の中でどうにかしようとしていた既成概念を崩され、衝撃的だった。
しかも「見えないものを見えるようにする」見えないものは電子とかではなくて、『情念』とか『想像力』とか、デジタル化することによってそぎ落とされてしまうものをインタラクティブに表現することを狙っていた(と思われる)

それからというもの実態とバーチャル、アナログとデジタルを組合せて表現するやり方に興味をもち、
いまの研究発表の動態展示サポートにつながる。

なもんで、一方的に思い入れがある方なのである。

肝心の講演内容は、

MITに移ったいきさつから、MITでの研究内容、そして研究者としての想いが語られた。

MIT Media Labでの研究内容の紹介ももちろん面白かったのだが、

それよりも、随所で語られる、氏の研究に対する想いに感心した。

何をするにもまず『理念』が必要。
『理念』に向かって突き進むための『駆動』。
『駆動』に必要なものは
 『飢餓感』『屈辱』『誇り』『情念』
そして常に『何故』『何故』と自身に『問』い続けることにより『哲学』が生まれる。

独創的研究開発とは
・本質的な問いを発することが重要
 -独自の観点から、新しい本質的問題を見いだし、新領域を開拓すること
・ビジョンがエンジン
 技術/ニーズ駆動には限界がある
 改良/翻訳/編集研究には限界ある

Alan Kayの有名な言葉

 The best way to predict the future is to invent it.

にプラスして、william Gibsonと言う人の言葉

The Future is Already Here -
It's Just Not Evenly Distributed..

を紹介していた。

MIT Media Labの熾烈な競争に生き延びてきた迫力を感じた。

※講義の内容は後日国立情報学研究所のHPでストリーミング配信されるらしい。


<追記>

 こちらで配信中。

 >基調講演1 「独創・協創・競創の風土とダンジルブ・ビッド」石井裕(NII)

<追記/>
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.12 2009 行って来た comment2 trackback1

comment

「TAK」さん
レポートありがとうございます

ものすごく行きたかったのだけれど、ビジネス管理能力欠如のせいで、スケジュール調整ができずに、残念でした

ストリーミングも楽しみにしています
2009.06.12 07:39
M322
>TAKさん

コメントありがとうございます。

通常の人なら2時間かける話を1時間で一気に語った感じでした。
プレゼンのような、たたみかける営業のような、それでいてワクワクする内容。
不思議な高揚感でしたね。

話の内容自体はこちらの記事の内容に近かったです。
http://rikunabi-next.yahoo.co.jp/tech/docs/ct_s03600.jsp?p=000789
2009.06.12 20:16

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