電子化というリスク

先週25日、26日の日経新聞朝刊の投資・財務2欄に
”株価 電子化の衝撃”という特集記事が載っていた。

債券市場おける電子化技術の影響を追ったものである。

アルゴリズム取引に世界がしのぎを削っていることが触れられていた。

このような記事を見るたびに、システム屋としてなんとも言えない恐ろしさを感じる。



デイトレーダーが何台ものパソコンを駆使して発注指示をだしている場面をTVなどで良く見かけるが、大手証券会社のトレーダーは金融工学に基づいてプログラムされた自動発注システムを使って売買している。
各種指数の瞬間のゆがみを収益機会とする裁定取引。
その歪みを狙う発注指示のタイミングが、ミリセカンドからマイクロセカンド(百万分の一秒)単位になってきているとのこと。

人が認識できないほどの短い瞬間に、人が一生かかっても稼ぎきれない金額が自動的に電子データとして動いている。
売買タイミングが狂うその刹那、何億、何兆もの損害が出る恐れを孕んでいるのである。

プログラム開発の経験者であれば、プログラムの記述の仕方ひとつで、処理速度がマイクロセカンド位の誤差が軽くでるのは容易に理解できる。
また、通信環境やマシン整備にかかわっているエンジニアなら、その機器の性能や所作一つで、ミリセカンドレベルの遅延が起きることもわかるであろう

つまり、機械がクラッシュしたり、電気の供給が止まったりするような大規模な障害でなくても、ほんのちょっとしたことで市場を混乱させる事態が起こりうるということである。

電子化や、システムが高度化するのを悪いというわけではない。

ただ、投資された金(直接投資をしなくても間接的投資されている金融資産)はこうした非常に危うい状況の中で動いていることは頭にいれておく必要があるのではないだろうか。
(システムを作る側がこんなことを言うのもなんだが、事実システムに完璧というものはない)

情報リテラシー教育というと、携帯の使い方や、ネット売買、個人情報の取扱い等の身近な行動に対する対処方が中心であるが、
自分が手に届かない部分、ブラックボックスになっている部分についてのリスクについて知る機会があまりないような感じがする。

環境問題のように直接人体に影響が出るような問題について科学者と一般の人がコミュニケーションを取って理解を深めると同じように、間接的に生活に影響を与えることについても、技術者(もしくはシステム提供者)と一般の人たちが情報共有することも今後大切なことになってくる気がする。
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.29 2008 テクニカルコミュニケーション comment0 trackback0

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