21世紀の科学技術リテラシー第3回シンポジウムに参加してきたメモ

21世紀の科学技術リテラシー3回

21世紀の科学技術リテラシー第3回シンポジウム」に行ってきた。

本シンポジウムはJST社会技術研究開発センターが設置する「科学技術と人間」
研究開発領域の研究開発プログラム「21世紀の科学技術リテラシー」の
研究開発プロジェクトの成果発表会。今回は平成18年度に採択された4件分。

昨年も同時期に別年度分の発表会が開催されていた。

 >21世紀の科学技術リテラシー第2回シンポジウムに参加してきた(備忘録)

今年はTwitterとUstream中継(録画なし)を導入。
ただし会場内のtwitterr率は低し(年齢層は高し)

Twitterのつぶやきログはこちらにまとめてみた。togetterって便利だね。

 >「21世紀の科学技術リテラシー」第3回シンポジウムTwitterまとめ

昨年は一部を除いて、
”科学技術リテラシー向上のために市民と実証実験してみました”
的な報告が多かったが、

今年は実証実験した結果を踏まえて
”継続的に利用できるフレームワーク開発”
まで踏み込んでいたのが印象的。

また、社会調査には、時間とパワー、そして幅広い統計・分析知識が必須なんだなと改めて認識。
それゆえ、民間ではなく、税金を使ったこうした研究プロジェクトでやる意義はある。
ただ、時限的なプロジェクト研究の継続や成果の将来的な利活用は課題だなと。

以下はメモ(途中)。

●大島まり(東京大学大学院情報学環・生産技術研究所 教授)
「先端研究者による青少年の科学技術リテラシーの向上」

・青少年の科学技術リテラシー向上のために研究者がが行うことのできるアウトリーチ活動のシステム構築・具体的なプロトタイプの提案。
・目的→科学技術のブラックボックス化を紐解くことによる知的好奇心の増進。科学技術の日常における役割や影響に関する正しい情報提供の方策、科学技術を通しての様々な分野における人材の交流連携の促進
・特徴→ ”工学中心””産業界と協力””継続開催”
・中高生が興味をもつのはデジカメ。企業の協力のもと内部構造を見せ、仕組みを理解させる。
・出張授業は研究者が最先端研究を直接伝えることができるが実施回数が制限されるのが問題。
・そのため学校単独でも授業ができるように貸出機材を開発。→「金属に触れる」感覚的認識と定量的認識の違いを実感させる。
・教育現場によって対応に温度差がかなりある。
・継続していくには組織的な展開が必要。



●大塚裕子(財団法人計量計画研究所言語・行動研究室 主任研究員)
「自律型対話プログラムによる科学技術リテラシーの育成」

科学技術リテラシー→科学技術に関する基礎知識と、その知識を分析・考察する能力、知識や考え方を活用する能力と捉える。
・トランスサイエンスの場で多様な価値観をもった多数の人々の”話しあい”による問題解決や意思決定が都求められている。
・話し合いの場に参加する人々(市民も専門家も)の”対話力”の向上が必要。
・目的→話しあいの力を評価できるコミュニケーション指標の作成。話し合いの力を育成する場の作成。
・対象は大学生。
・各参加者が気付いたことをグループで共有、次の活動での目標へとつないで自発的に話し合いの方法を改善する。
・フィッシュボール(金魚鉢)形式のディスカッション。
・どこの大学でも実施可能な汎用性の高いものにするため、教員向けガイドライン、授業シラバス、評価項目リスト、事例集、教材等と具体的な成果物としてパッケージ。
・最終的な成果物は作成中。完成したら公開予定。(LSSL


●西條美紀(東京工業大学留学生センター/統合研究院 教授)
科学技術リテラシーの実態調査と社会的活動傾向別教育プログラムの開発」

・科学技術コミュニケーションするためにリテラシーの把握が必要不可欠
・統計学的手法により科学技術リテラシーを抽出し、実際の行動社会活動との対応を観察して、科学技術リテラシーの実体的把握をする。そしてリテラシー向上プログラムを開発する。
・Shen(1975)、Miller(1983)による科学技術リテラシーの定義
 実用的リテラシー ローカル知
 市民的リテラシー 用語・概念の理解、手法・過程の理解 → 国際比較調査はこれが中心
 文化的リテラシー 知的たしなみとしての科学
・PUB(Public Understanding of Science)からPES(Public Engagement of Science)へ
・本研究のリテラシー定義→「科学的基礎知識と手法を、科学技術を含む社会に対する関心と態度に結び付け、科学技術に関する話題について社会的に判断して行動する能力」
・調査方法。マクロレベル(大規模質問紙調査・分析)、メゾレベル(談話分析)、ミクロレベル(個人調査)の三段階で評価。
・3つのリテラシー因子に分けられる。科学因子、社会因子、科学重視因子
・4つのリテラシークラスターに分けられる。全方位タイプ(なんでも興味あり)、科学好きタイプ(男性7割)、中庸タイプ(女性7割)、無関係タイプ(クラスター分け不能)
・リテラシーの全体底上げはもちろん必要だが、多様性を認めて、クラスター間での相互コミュニケーションがはかれることが大事。
・各クラスターがかい離しないようにするための、協働を通した相互のリテラシー向上ブログラムを開発。



●信原幸弘(東京大学大学院総合文化研究科 教授)
「文理横断的教科書を活用した神経科学リテラシーの向上」

・脳神経科学リテラシーの向上には一般市民の脳神経科学リテラシー向上と脳神経科学者の社会リテラシー向上が必要
・そのために、脳神経科学リテラシーの教科書の作成+大学の教養教育での授業を実施。



※ディスカッションでの発言

・研究者の社会リテラシーの向上方法→保有知識が違うことを認識。共通言語・オブジェクト(五感でわかる)が必要。言葉では通じない。実践の場が必要。共有の場。(西條)

・リテラシーはいつどこで学ぶ?→リテラシー・オン・デマンド。知識だけではなく科学的なものの見方。
誰にとっても必要だが、必要な時期は自分しかわからない。(西條)

・科学技術を分ける必要なない。ブラックボックス化は研究者だけではどうしようもない。コミュニティー作りが必要。(大島)

研究継続には何が必要か、壁は→
 マンパワー、研究者の温度差(大島)
 研究費、広報のノウハウ、研究者の社会リテラシー(大塚)
 ソフト、教育が必要、縦割り行政、教育委員会の壁(西條)
 研究費・マンパワー(信原)


<追記>

 :「21世紀の科学技術リテラシー」第3回シンポジウムTwitterまとめ
  
 :「21世紀の科学技術リテラシー」第3回シンポジウム開催報告(RISTEX)

<追記/>

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