『milsil(ミルシル)』2011年3月号の特集はネイチャー・テクノロジー

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『milsil(ミルシル)』最新号(2011年3月号(通刊第20)号)を手に入れた。
『milsil』は国立科学博物館が発行する季刊誌。

今号の特集は『ネイチャーテクノロジー』


汚れのつかないカタツムリの殻。
そよ風でも滑空できるトンボの羽。
昼間50℃、夜は0℃を下回る厳しい外気のなかでもぴったり30度に制御されているシロアリの巣。

そんなすばらしい機構をもつ自然や生物から学ぶ、ネイチャーテクノロジーやバイオミメティクスといった技術の研究者6人による解説。


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『ものつくりと暮らし方の新しい"かたち"ネイチャー・テクノロジー』
 石田秀輝教授・古川柳蔵准教授(東北大学大学院環境科学研究科)

『生物多様性がもたらす技術革新「バイオミティクス」』
 下村正嗣教授(東北大学原子力分子材料科学高等研究機構多元物質科学研究所)
 
『自然史研究とバイオミティクス』
 野村周平研究主幹(国立科学博物館動物研究部陸生無脊椎動物研究グループ)

『トンボから学んだ風力発電』
 小幡章教授(日本文理大学工学部航空宇宙工学科マイクロ流体技術研究所)

『自然に学ぶものづくり-企業がこれから取り組むこと』
 佐野健三主席研究員(株式会社積水インテグレーテッドリサーチ)

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キーワードは

・バックキャステング
・サスティナブル(持続可能)
・学際研究、産学連携


人間活動の肥大化がもたらした7つの地球環境問題。
気候変動、エネルギー・資源の枯渇、水や食料の分配、急激な人口の増大、そして生物多様性の劣化。
こうした状況下において、心豊かに生きるという人の本質を担保しつつ、いかに停止・縮小させることができるのか。
2030年のあるべき生活を描き、その答えを、最も小さなエネルギーで駆動している完璧な循環をもつ自然に求める。

上述したカタツムリや白アリ以外にも、さまざまな問題を動物や植物が、巧みに解決してくれることがよくある。

・水をはじくハスの葉 → 航空機用のコーディング技術
・夜間飛行できる蛾 → 無反射フィルム
・数十キロ先の山火事を探知するナガヒラタタマムシの目 → 赤外線センサ
・天井をはうことができるヤモリ → 粘着テープ
・サメ肌 → 低抵抗表明素材
 
生物多様性の保全は、地球環境を守ることだけに留まらない。
エネルギーや資源問題に対応することにより、技術革新とそれを支える新しい科学を産み出す可能性をもつ。
 
数十ナノメートルから数十マイクロメールトルの世界といったナノテクノロジー。
その対象領域には自然の脅威の秘密が隠されていることが多い。
電子顕微鏡による観察や解析が必要不可欠なサイズであり、それゆえに、共通の観察・解析手法を通して生物学と材料工学のあらたな連携がうまれる可能性をもつ。
生物資料の整理や材料の入手方法に長けた生物学者と工学的研究に発展させる術を持つ工学系研究者の強調作業がバイオミメティクス研究の更なる発展を促す。


エネルギー問題を我々に改めて突き付けた原発事故。
バックキャストで想像する2030年は、いまそこにある危機になった。

生活価値の不可逆性を認めつつ、豊かな生活をするためにも、
自然に学ぶテクノロジーに注目。




関連エントリー
『空と宇宙展』もいいけど『ネイチャー・テクノロジーとライフスタイル展』もね。
これからの社会に必要な「まなざし」とは(SEMSaTショートコース受講記)
『自然に学ぶ粋なテクノロジー なぜカタツムリの殻は汚れないのか』書籍の紹介の紹介

深海特集が始まった『milsil(ミルシル)2010年第3号』
『milsil 2009年 第5号』 「科学技術の智を語る」コーナー始まる
『milsil 2009年 第4号』サイエンスコミュニケーションへの招待最終回
「milsil」で国立科学博物館サイエンスコミュニケータ養成実践講座の様子がわかる。
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.21 2011 サイエンスコミュニケーション comment0 trackback0

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