ウメサオタダオ展 脳内展開展示に関心感心

ウメサオ展 (30)

日本科学未来館で21日から始まった企画展

 「ウメサオタダオ展 -未来を探検する知の道具-」

の友の会員向け内覧会に行ってきた。

なんと国立民族学博物館小長谷有紀教授による解説ツアーつき。

「知の巨人」梅棹忠夫氏の知的生産の過程と成果を紹介した展示を丁寧に説明いただいた。

梅棹氏の魅力を堪能。


そして、その魅力を引き出す展示方法も気になったのでメモ。



●空間配置

入り口を抜けると、中央には梅棹氏のディスク。
そこを起点として放射線に知的生産ツールが並び、
さらにその先には氏の歴史と研究成果がぐるりと配置されている。

ウメサオ展 (5)

梅棹忠夫氏の脳内キャビネットを展示スペースいっぱいに展開したよう。


梅棹氏のディスク
ウメサオ展 (2)

知的生産を支えたツール類
ウメサオ展 (20)

会場の配置はこんな感じ。
umesaomap00.jpg


●文字の力

何といっても目をひかれるのは文字のディスプレー。
上から右から下から。
氏の理論が言葉が降り注いでくる。

岡本太郎展』や『ダヴィンチ展』で見た言葉の展示に通じる文字の力。


上から
ウメサオ展 (3)

横から
ウメサオ展 (8)

前から
ウメサオ展 (14)


●リアルとフェイクと保存と体感

こうした文書中心の展示の場合、その資料はショーケースに保管され、
貴重であればあるほど手に触れることは難しい。
映像や写真に収めてじっくり見せることもあるがリアルさはない。

展示では、フェイク品を上手く創ることでリアル感を醸し出すことに成功している。

キャビネットリアル
ウメサオ展 (21)
実物と同サイズのカードに直筆のコピーが印刷されている。
カードを探ると氏と同じような検索を体感できるのだ。

アドレス帳のキャビネットには、日本未来館の毛利館長のものもあり、
未来館とのつながりも感じさせる憎い演出。


実験ノートリアル
ウメサオ展 (22)
こちらも本物と同じ実験ノートを再現。
そとづらだけのモックアップではなく、中身も実際に書かれた内容のそのまま。
フェイクながら氏の肉筆感が伝わってくる。

ショーケース
ウメサオ展 (19)
そして本物は本物としてショーケースでしっかり保全しながら魅せる。


●ポータビリティーと低コスト

最初から巡回展示を想定していたのか否かは知らないが、
(本展示は今年の春に一度、大阪の民族博物館で開催されている)
展示什器自体は非常にシンプル。
ダンボールと木枠、透明フィルム中心の構成ながら、
チープさを感じさせないのは配置の妙かコンテンツの力強さか。

ダンボール什器
ウメサオ展 (18)

木枠とフィルム
ウメサオ展 (10)


●アナログとデジタル

言葉と文字を中心としたアナログ展示と思いきや、
デジタルもしっかり取り入れている。

情報産業時代を予言し早くから研究にデジタル器材を取り入れていた梅棹氏本人の姿勢にも重なる。


『人類の未来はっけんデジキャビ』
ウメサオ展 (24)

はっけんを書いた紙をスキャンすると『こざね』のごとく読み込まれ、
年齢や時間で検索可能となる。
ウメサオ展 (23)

未来館の企画展にしては珍しくターゲットが年齢層高めの展示なので、
子供たちにはちとツライ。
そこをインタラクションな仕組みを取り入れてフォローしているようにも見える。

●残念な不一致

一点だけ残念だったのが、未来館独自の展示。
会場の外にあるジオコスモススペースに200冊にも及ぶ梅棹氏の
著書の表紙が展示されているのだが、本のサイズを全て同じ大きさに調整してしまっていた。
見た目とか統一感を考慮したのだろうが、本展が実物大を大切にしていただけに、
素のままの大きさにして欲しかった。

ウメサオ展 (39)


●未来館という場所で

大阪の展示を見に行けなかった人はもちろん、一度見た人も。
最先端科学技術のショーケースのような未来館での一風変わった文化人類学者の展示は必見。
2月まで。

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ウメサオタダオ展-未来を探検する知の道具-
期間:2011年12月21日(水)~2月20日(月)
場所:日本科学未来館(東京・お台場)
内容:情報整理法を解説し、知的活動とは何かを論じた『知的生産の技術』
    ができるまでの資料展示と、梅棹の未完の書のタイトルでもあった
    『人類の未来』のコーナーを設置。
URL:http://www.miraikan.jst.go.jp/sp/umesaotadao/
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おまけ

内覧会の開始時間は人気の無くなった閉館後の夕方。
暗闇に浮かぶジオコスモスの夜の特別実演つき。

ホールのガラスに反射してパノラマ状態の夜のジオコスモスも美しい。
ウメサオ展 (31)


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Miraikanで好評開催中の特別展「ウメサオタダオ」展(通称:東京ウメサオ展)に行ってきました. みんぱくでのウメサオタダオ展のときよりも,やや規模縮小した感があります. 文化人類学の肝であるフィールドワークの部分が手薄になっています(会場の関係でしょう...
2012.01.02 19:02 Science and Communication

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