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今そこにない危機をどう伝えるか。

Influenzavirus_structure.jpg
http://ja.wikipedia.org/wiki/ファイル:Influenzavirus_structure.png
CC-BY-SA_3_icon.png 


サイエンスイベントのナビゲーターのさらにそのサポートみたいなことをしてきた。

 >「ゲームでわかるなるほどインフルエンザ!」直前すぎる開催告示

インフルエンザと鳥インフルエンザの違いを理解するとともに、
キーとなる「糖鎖」の働きも知ることができるゲームを使ったイベント。

「糖鎖」の専門家の方が開発し、すでに何度か実績のあるプログラム。
それだけにストーリーがかなりきちんと練られていた。
対象者に応じて臨機応変に変えられるアイテムも用意されていて説明する方もやりやすい。

対象は小学生以上。
場所は博物館のミュージアムショップ。
土曜日ということもあって親子連れがほとんど、カップルやシングルの大人もちらほら参加。

季節がらインフルエンザの食いつきは良く、話のきっかけはつかみやすかった。

ただ・・・。

Influenzavirus_Prolif.jpg
http://ja.wikipedia.org/wiki/ファイル:Influenzavirus_Prolif.png
CC-BY-SA_3_icon.png


鳥インフルエンザの話になると、いまいち???。
大人はそんな事があったよね程度、
小さな子供はそもそも鳥インフルエンザを知らない。

豚を介在したウィルスの変異まで話が進めばへぇとなるものの、
なんとなく上の空。

恐らく昨年の今頃の九州や数年前の新型インフルエンザ騒動のときにやっていれば、もっと関心は高かったであろう。

だから、基本的なインフルエンザウイルスの構造やタミフルが効く仕組みの話を意図的にふくらませた。
あまり興味のなさそうな鳥インフルエンザの話よりも、そちらの話題のほうが話は弾むからだ。
少なくともインフルエンザウィルスの仕組みを知ることにより、うがいや手洗いの大切さや抗ウイルス剤の働きをより深く知ることはできるから、インフルエンザが猛威を振るうこの時期に必要な情報なことは間違いなかったと思う。

でも帰りの電車でふと思った。
関心はなくとも鳥インフルエンザの話をもっとするべきだったのではなかったと。
いざ起こった時、「今そこにない危機」に遭遇したときのための判断材料を伝え、各々考えてもらう機会をもっときちんと作るべきだったのではと。


3.11からの放射線不安と同じく。
「今そこにない危機(実際はあったけど認識してなかった危機)」だからと無関心でいた結果、
流れる情報の妥当性を判断する知識に欠け人々が騒動を起こした。

地震や津波に対するリスク認識もしかり。

「もっと早く伝えられていれば、もっときちんと伝えられていれば・・・」

東日本大震災後の情報発信であれほど尽力された東大地震研の大木さん。
その大木さんが地震後の講演で涙を浮かべながらおっしゃていた言葉を思い出した。


自然災害にしろ、人災にしろ、何かが起こったときでは手遅れ。
「今そこにない危機」を認識し、起きた時に迅速に冷静に動ける知識を得られるような機会をつくるのもサイエンスコミュニケーションの大事な役割なんだろう。

そして博物館や科学館は、日常の中で非日常を意識できる貴重な空間なのかもしれない。

「今そこにない危機」をいかに伝えるか。



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2012/02/26 11:23 | サイエンスコミュニケーションCOMMENT(0)TRACKBACK(0)  TOP

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