息苦しくなるほどに「ひっくりかえる展」

ひっくりかえる展


東京は外苑前のワタリウム美術館にて開催中の

 『ひっくりかえる展

を見てきた。

アーティスト集団Chim↑Pom(チンポム)の一枚の絵を見るために。

昨年春、東京・渋谷にある岡本太郎の巨大壁画「明日の神話」の一部に取り付けられた絵。




東日本大震災による福島第一原子力発電所事故を思わせる(というかそのもの)絵。
原画のテーマにつながりを持たせた社会的批評。

行為自体は違法。
批判に賛辞、賛否両論入り乱れてた。

 >チンポム問題作を岡本太郎記念財団が認めた「太郎を乗り越えてほしい」(日刊SPA)

これが他の作品だったら気にもならなかったが、
あの岡本太郎の絵だけに一度見ておきたかった。

件の絵は、ひっそりと飾られていた。
その絵に辿りつくまでに、強烈なメッセージ性をもつ作品の展示が続くため、
いきなり静な感じがあった。
展示会場の暗さもあったのかも。

「明日の神話」は横30メートルの巨大壁画。
第五福竜丸が被爆した際の水爆の炸裂の瞬間をテーマにしている絵。

おどおどしさと圧倒的な迫力。

対してこの絵は作風は同じものの静かな主張。
原発事故を粛々と訴える。
良い悪い抜きにしてただひたすらに起きてしまった事象を認識させる作品。

「明日の神話」にある(と思われる)”再生”の力は感じられなかった。
太郎の怒りや哀しみの部分まで。

これはまだ事故が起きて間もない混乱のさなかに描かれたせいもあるのだろう。
いまChim↑Pomが描いたのなら、また違った作品になるのかもしれない。



展覧会は、このChim↑Pomがキュレーション。

Chim↑Pom以外の作品も展示されていた。
フランス・カナダ・ロシア、もちろんChim↑Pomの日本作品も。

いずれも社会メッセージ性の強い作品。

貧困・政治不信・反原発…。

アートと言う手段を使ってドギツク強烈に訴えかけてくる。

正直なところ、その非合法的な手法には目をそむけたくなるものもある。
自分では決してやらない(だろう)粗暴さ。
好きか嫌いかでいえば嫌いな部類。


とにかく見ていて息苦しい。


でも、これこそが彼らの表現のなす力なんだろう。

いまだ何一つ解決していないのに、
日常に埋没し見えなくなっている課題、
時間とともに風化してしまう事件。

いまこの瞬間に世界のあらゆるところで起こっている諸問題をアートという武器で浮き上がらせる。

サイエンスコミュニケーションが
対話を重視し、相手の気持ちや考え方に最大限配慮を行いながら、
慎重に慎重に距離を縮めてお互いの溝を埋めていくのに対して、
強引に目を向けさせ、問題意識を喚起させる手法。


ひっくりかえされた。


関連エントリー
叫ぶ「岡本太郎の50年」展
大きさ実感 「太陽の塔 黄金の顔」
岡本太郎記念館をジャック 『ヤノベケンジ:太陽の子・太郎の子』展
岡本太郎が暮らしたアトリエ 『岡本太郎記念館』
太郎のパブリックアートが集合『川崎市岡本太郎美術館』
何だこれは!『岡本太郎展』メモ

関連記事
.25 2012 展示 comment0 trackback0

comment

post comment

  • comment
  • secret
  • 管理者にだけ表示を許可する

trackback

trackbackURL:http://btobsc.blog25.fc2.com/tb.php/525-7056058c

プロフィール

k_2106

Author:k_2106
科学好き
博物館好き
魚好き


このブログ方針みたいなもの"

最近の記事

●全ての記事はこちら

フリーエリア

タグcloud

ブログ内検索

ブロとも申請フォーム

QRコード

QRコード

コメント・ご質問はこちらまで

名前:
メール:
件名:
本文:

カウンター