衝動から実現まで、作品に込められた太郎の想いとは。岡本太郎美術館

岡本太郎美術館

ひさしぶりに川崎の岡本太郎美術館に行ってきた。

心身共になんとなく弱っていたのでパワーをもらいに。

目的は常設展の『岡本太郎 ─潜在的イメージ』展。
《森の掟》を始めとして代表作に込められた氏のメッセージ、潜在的イメージを知ることのできる展示。

そしてあまり意識してなかった企画展『岡本太郎のシャーマニズム』展もなかなか。グッとくるものがあった。



 森の掟
 《森の掟 1950》

氏の作品に魅かれる理由は自分でも良くわからない。

赤、青、黄色などの強烈な原色か。
力強い目玉なのか。
はたまた奇抜な化け物的造形か。
それともかわいい子どもの顔か。

しかしながら、特徴的な点をそれぞれ個別に切出した場合、
別に派手派手よりモノトーンが好きだし、
オカルト物は魅かれるどころか引くし、
自分以外の子供は苦手だしと、
必ずしも作品の要素に心が奪われているわけでもない。

たぶん、統合して岡本太郎作品が好きなんだろうと思う。
そこから醸し出される何かに魅かれるか。


氏が作品に何を込めたのか、専門家にも実のところはまだよくわかっていないらしい。
リアルタイムで知っているなんとなく見たことがある作家なのに、
1996年に没した後から研究が本格化し、いまだ端緒についたばかりだというから驚きだ。

そんな研究の一つとして、氏の思想的背景の探索を試みた企画展が、

岡本太郎のシャーマニズム』展。

氏が作品に込めた意図を解明する手がかりに、氏が保有していたエリアーデという哲学者の著作等に着目し、1940年代から晩年までの岡本作品の意図解明をしている。


 ノン
《ノン 1970》

正直なところ、呪術的なものは苦手である。
怖いというよりも畏れの気持ちの方が強い。
もし、氏の作品にシャーマニズムの思想が組み込まれているのであれば、
魅かれてしまうのは、怖いもの見たさが一部にあるのかもしれない。


事実、企画展に展示されていた作品はどれも力強く、
大型のものが多いせいか迫力満点。
素通りさせない強力なオーラが発せられていた。

 精霊
《樹霊Ⅰ 1970》

氏が傾倒した件の著作や活動と、同時期に作成された作品を並べ、
作品に込められた思いを考察していく構成。

 太陽の塔


あの太陽の塔の横に描かれている赤い稲妻のラインは、
神へとつながるシグナルを意味しているのかもとの見解は興味深い。


今日の企画展で一番魅かれたのは《予感 1963》。



そして常設展では、『岡本太郎 ─潜在的イメージ』展として、氏が作品を仕上げるまでの手順を中間作品とともに展示されていて、最初のイメージから抽象化されデフォルメされていく過程を見ることができる。

勢いで描いたかのようなあのなんだか得体のしれない何かは、デッサンやエスキース、そしてマケットなどを経て表出された結果なのだ。
 
 クリマ
 《クリマ 1951》


氏曰く、
 「ただ「描きたい」という衝動ではなく、「こういうもの」を表現したいという情熱からはじまる。」

だそうだ。


心を揺り動かされるのは、情熱をまとった「こういうもの」にシンクロできた瞬間なのだろうか。

 アドレッサン
 《アドレッサン 1961》


なんとなくわかったようなわからなかったような。

いずれにしろ企画展、常設展ともパワーみなぎる作品群と展示だった。

どちらも2013年7月7日(日)まで、

美術館は新緑まぶしい生田緑地を通り抜けた先にある。
散歩がてらに森林浴もおすすめ。

生田緑地




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