四方八方ひらいて魅せる 「国宝興福寺仏頭展」

仏頭

東京は上野の東京藝術大学大学美術館で開催中の

 「興福寺創建1300年記念 国宝 興福寺仏頭展

を拝見してきた。


そのままでもパワーのある重要文化財を更に引き立て魅せる展示


本展はその名の通り、国宝 「銅造仏頭」がメインの展覧会ではあるが、
他にも迫力ある像や魅力ある展示物多数。


《厨子入り木造弥勒菩薩半跏像》

 開帳でさえありがたい勒菩薩半跏像を厨子の外にだして展示

 主人不在となった逗子は、通常見ることのできない菩薩の後ろや、
 内壁面に書かれた扉絵、さらには上部に飛翔する仏様?の像も
 覗きこんで360度眺められるようになっていた。

《法相祖師像彩絵 厨子扉絵》

 他にも厨子扉絵が多数展示されていて、

《閻魔王像(護法善神扉絵)》

 光に当たらず保存状態がよいからか、閻魔様に施された深紅は見事な発色、
 裁きの顔は迫力ありすぎて、子どもが見たら泣き叫ぶそうなほど。


《成唯識論 巻第一》

 巻物も美しい。紺の紙に金色で書かれた書跡。

《世親摂論 巻第十(春日版板木)》

 そして版板木の実物も飾られていて、巻物に美しく写し取られる元となる字を彫る技術にうならされる。


《板彫十二神将》

 十二神将のレリーフ。
 通常は12枚並べて壁に展示してしまうところを、当時の設置状態を想像して、
 四方に3枚ずつそれぞれ飾られていた。

 僅か3センチの板の上で十二神将を強引に飛び出させる技巧。
 ジョジョ立ちを無理やり平面に押し込めたようにも見える。

 レリーフを横から見られるのも珍しい。
 ちょっとした錯視にも感じられる。

《安底羅大将像(板彫十二神将)》
 安底羅大将の手なんて、こうして曲げたら折れちゃうでしょと突っ込みたくなるギリギリのライン。


そして、メインの「銅造仏頭」の前に控える十二神将像。


そのままでも迫力のある立像がさらに引き立つようにライティングも凝っている。

立像を照らすスポットライトにかぶせられたカバーにそれぞれ微妙に違う穴が開けられていて、
12神将それぞれの形状にあわせるように調光がされていた。

おそらく何度も何度も光の当たり具合を試したうえのベストな光。

鎌倉時代の仏師と現代の展示技師のコラボによっていまにも動き出しそうな状態になっていた。


《招杜羅大将立像(木造十二神将)》
《波夷羅大将立像(木造十二神将)》
《伐折羅大将立像(木造十二神将)》

中でも気になったのはこの3体。
手には血管が浮かび、足の指先まで力のため具合が現れていた。


4年ほど前に東京国立博物館で見た「国宝 阿修羅展」の四天王もゾクゾクきたが、こちらもなかなか。

静なのに動。
目が合ったら動けなくなる。
そんな迫力。


それほど展示数も多くなく余白を多くとった展示構成は、
シンプルなだけに荘厳な雰囲気が感じられていつまでも見ていたいと感じさせる満足展示だった。

11月24日まで。

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『国宝 興福寺仏頭展』
会期:2013年9月3日(火)- 11月24日(日)月曜休館
会場:東京藝術大学大学美術館(東京・上野)
概要:興福寺の創建1300年を記念した展覧会。現存する東金堂
   をテーマとし、同寺の代表的な名宝である国宝「銅造仏頭」
  (白鳳時代)をはじめ、東金堂ゆかりの名品を展示。
URL:http://butto.exhn.jp/

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2013/11/20 22:00 | 展示COMMENT(0)TRACKBACK(0)  TOP

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