浮世絵百科をつまみ喰い「大浮世絵展」

大浮世絵展

東京は両国の江戸東京博物館で開催中の

大浮世絵展

を見てきた。

国際浮世絵学会創立50周年を記念した気合いの品揃え。
ただし全てが見られるかというとそうでもない。

会期中は一週間単位で作品が入れ替えられ、400を超える作品も一度に見られるのは150程。
浮世絵や古い日本画の場合、作品保護のため上期・下期と作品を入れ替えることは良くあるが、これだけ短いサイクルは珍しい、それだけ貴重な作品群ということか。

それでも大浮世絵展と銘打つ通り、江戸時代初期から近代にいたるまで幅広い作品が一堂に会している様は圧巻。

この手の網羅的展覧会は、有名どころの作品が見られることはもとより、いままで目にしたことの無かった作品や、知らなかった作者を発見できる愉しみがある。

今回一番気に入ったのは北斎の肉筆画。

端午の節句(葛飾北斎)
《端午の節句(葛飾北斎)》

ガラスケースの中のこの異様に佇む兜の絵に目を奪われた。

大胆な構図といい、精密な描写といい、
これが北斎85歳に時に描かれたというから驚く。

次は江戸初期の作品。

雪中相会傘
《雪中相合傘(鈴木春信)》

黒と白のコントラストが見事。
白い着物には浮彫のような文様が施され雪の白との違いが光る。


もう一つは新し目。

対鏡伊藤深水
《対鏡(伊藤深水)》

赤というか紅というか深く鮮やかな色に惹かれる。



他にも年代またいでいくつも。

1章 浮世絵前夜
《扇舞図》

2章 浮世絵のあけぼの
《戯れへのいざない(菱川師宣)》
《恋のみなかみ(菱川師宣)》
《出陣髪すき(鳥居清倍)》
《武者絵尽(奥村政信)》

3章 錦絵の誕生
《雪中相合傘(鈴木春信)》
《『絵本舞台扇』(一筆斎藤文調・勝川春章)》

4章 浮世絵の黄金期
《錦織歌麿形新模様 白打掛(喜多川歌麿)》 線を使わない技法
《円窓丸美人図(鳥文齋栄之)》
《3代目大谷鬼次の江戸兵衛(東洲斎写楽)》

5章 浮世絵のさらなる展開
《北国八景の内 うらたんぽ暮雪 玉屋内白玉(渓齋英泉)》

《東海道五拾三次内 庄野 白雨(歌川広重)》
《木曽街道六拾九次内 三拾弐 洗馬(歌川広重)》
《名所江戸百景 大はしあたけの夕立(歌川広重)》
《漁師浪六 嵐璃寛 厳師(歌川国貞(3代豊国))》

6章 新たなるステージへ
《東京両国川開之図(落合芳幾)》


重要文化財である有名な写楽の大首絵
《3代目大谷鬼次の江戸兵衛》の周りにあまり人がいなかったのが意外。
せっかくなのでまじまじ見てみたけど、けっこう細部は適当。
中指に染料がはみ出していたり、あの奇妙なポーズで全て帳消しか。


全般的に浮世絵初期のぼやっとした橙色の3色刷りよりも、
それより前の白黒モノトーンか全盛期より後のビビッとな色使いの作品がやはり目に留まる。

お気に入りの国芳や芳年が好みの作品がなかったのが残念だが、総じて満足。

できればもう一回観に行きたいけど、2回目割引とかないのかね。

あ、あと、浮世絵の展覧会は概して来場者の年齢層が高く、今回も高かった。
みなさんなかなか絵の前を移動しないのでいらいらしないこと。

東京は3月2日まで。
見たい作品を入念にチェックしてピンポイントで行った方がいい。

 >「大浮世絵展」東京会場出品リスト

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大浮世絵展

大浮世絵展
会期:~2014年3月2日(日)9:30~17:30 土曜19:30
   休館日1月27日、2月3日・10日・17日・24日
会場:江戸東京博物館(東京・両国)
概要:「国際浮世絵学会」の創立50周年を記念して、
浮世絵の名品を日本国内および世界各地から一堂に集めた展示
URL:http://ukiyo-e2014.com/

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