マニアな博物館10 「雪の科学館」 雪をフックに不思議を感じさせる実演展示に感嘆。

雪の科学館 (3)


石川県は加賀温泉にある

 『中谷宇吉郎 雪の科学館

に行ってきた。

「雪は天から送られた手紙である」

という言葉を残した雪の科学者、中谷宇吉郎博士。

雪の美しさに魅せられ、世界で初めて人工的に雪の結晶を作り出すことに成功した人である。

ここは、博士の出身地に建つ雪氷学を紹介する小さな科学館。






雪の科学館 (1)

山々を望む柴山潟のほとりに建つ科学館。
建物は氷柱をイメージしたと思われる洒落た構造。

入り口は2階。中は明るい。

入り口付近の映像ホールでは、移動型プラネタリウムが設置されている。
プラネタリウムといっても星空ならぬ、雪空が見られる変わったプラネタリウム。
幻想的な雪の映像とともに、雲と雪が生まれる仕組みを学ぶことができる。

1階に下ると展示室。

雪の科学館 (2)

宇吉郎博士の半生と実績を解説したパネルが並ぶ。

雪の科学館 (6)

博士が解明した雪の結晶パターンや実験道具も興味深い。

雪の科学館 (5)

また、中庭には石が敷き詰められた一見雪とは関係なさそうな空間がある。
実はこの石は博士が最後に研究をしていたグリーンランドから持ってきたものだそうだ。

雪の科学館 (4)


石の隙間から漏れ出る人口の霧が辺りを漂っていていて幻想的な雰囲気を醸し出す。
これは博士の娘であり芸術家の中谷芙二子さんの作品なのだとか。
雪の研究家の娘が霧の芸術家ってのもなんとも素敵な親子関係。

閑話休題。


雪の科学館 (7)

そして、なんといっても一番の見どころは「雪と氷の実験」だ。

実験には特に決まった時間もないようで、説明員の方が館内の来館者状況に合わせて「みますか?」と声をかけてくれる。
私は来館者がほとんどいない平日の午前の早い時間にいったおかげで、いくつかの実験はワンツーマンで説明してもらえた。

実験はいくつも用意されていて、雪の結晶のできる様子や、氷が解ける刹那の不思議な動きの観察、次から次へと小気味よく魅せてくれる。
一瞬にして水が氷に変化する過冷却の実験は、現象としては知っていたが、体験したのは初めて。
思わず

 おぉっ

と声を漏らしてしまった。

箱の中でキラキラと成長していくダイヤダストも目を見張る。
最後にダイヤモンドダストをシャボン膜で捕まえる実演には、またしても

 おっおぉぉっ

と声を出してしまう。


最初に実演で驚きを与えて、
流れるように今なにが起こったのかを説明して、
さらに別の角度から別の実演をして、
なんでなんでと???がつのるころ、
最後に詳しく理論の説明を加える。

美しい結晶をフックに不思議を感じさせる実演展示が見事。


感動の御礼ついでに、この実演は他の場所で展開したりしないか、いやするべきだと余計なお世話な話を説明員の方にしたところ、これらの実験はヤル気になればそれほど大がかりな装置を用意しなくてもどこでもできるとのことだった。
また実際、前館長は実演行脚をしているらしい。

ホームページには手順が公開されていた。

氷で遊ぼう
雪で遊ぼう

さっそく家でこどもに向けてやってみようか。

でも、料理がレシピがあってもつくる人が違えば味が違うように、
機材と方法を知っても、感動を呼び起こせるような実演ができるかってそれはまた別な話で難しいところ。

この場所、ここの説明員の方ならではの感動があるはず。


来春2015年には北陸新幹線も開通することだし。
日本海旅行がてらにでも雪の科学館で実際みてみることをお勧めする。


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「中谷宇吉郎雪の科学館」
開館時間:9:00~17:00(入館は16:30まで)休館日水曜日(祝日の場合は営業)
入館料:一般500円 団体(20名以上)420円 高齢者(満75歳以上)250円、高校生以下及びしょうがい者は無料

参考までに電車で訪れる人に。

・最寄り駅はJR北陸本線加賀温泉。金沢駅から特急をつかって20分くらい。
・駅からは1,000円乗り放題の周遊バス(海まわり)がでているが、一日数本しかないうえに、周遊のため行きは時間がかかる。 (行:約55分、帰:約25分)
 周遊バスCANBUS(キャンバス) 時刻表
・タクシーなら10分ぐらい。片道2,300円程度。ちと高いが旅行時間を有効に使いたいなら行きはタクシーをお勧めする。
 (駅前に暇そうなタクシーが何台か止まっている)
・余裕があれば、科学館に近くに、加賀片山津温泉の街湯があるから、帰りはそこでバス待ちの時間調整するのもいい。ガラス張りの瀟洒な作り。
・タクシーの運ちゃんに「科学館以外に何かみるところありますかね?」と聞いたら、「なんもないね」と即答されました。

雪の科学館 (8)

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科学以前の心 (河出文庫)
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