越境サイエンスコミュニケーション、つなぐ仕組み(サイエンスアゴラ2014 雑感その1)

agora2014 (24)

サイエンスアゴラ2014。

土日の二日間参加した。

展示会場を一通り周った印象は昨年感じたものと大きくは変わらない。

サイエンスアゴラ2013雑感 あとで整理。
 
昨年以上に、出展コンテンツは目的別に発表枠がキレイに分けられていた。

展示エリア → 一般来場者向け(実践したい人)。
・セッション枠 → サイエンスコミュニケーターの交流(議論したい人向け)。

そのため、科学イベントを楽しみに来た一般来場者にとって展示エリアは迷いのない構成になっていたと思う。


そんな遊びのないプログラムの中、チャレンジングというか場違いというか、アゴラとは微妙に異なるクラスターがいくつか出展していた。

ニコニコ学会βと、八谷和彦氏、そしてコミケ系科学サークル連合である。

いずれも、科学技術に関わるプレイヤーであり、サイエンスコミュニケーションの担い手である。
しかしながら、サイエンスアゴラのアカデミックなノリとは少し異なる。そんな人たち。

こうした人たちや彼らが連れてくる参加者が、従来の来場者層と会場で交われば、まさに科学の広場だと思うのだが、残念ながら上手く混じったとは思えなかった。

それぞれのイベントの参加者は多くなく(あくまで自分が眺めていた範囲の感想だが)、
また、彼らが元々持つファン層がアゴラの場に来ているようには見えなかった。
これは用意したコンテンツというよりも事前の仕込みの問題であり、準備や場の設定を工夫をすることによってもっと上手くこの場を活用できたのではないかと思うとちと残念に思えた。

彼らや彼らのコンテンツのファンがサイエンスアゴラを楽しいと思うには今ひとつ物足りないかもしれないが、
少なくとも、科学イベントとしてのサイエンスアゴラを楽しみに来る一般来場者にはどれも刺激的な内容なはずだ。

今年の開催概要を見ると今年のテーマは「あなたと創るこれからの科学と社会」である。

サイエンスアゴラを、多様なステークホルダーが集い、自らの未来に関わってくる科学と社会の関係について語り合い、何らかの気付きや成果を得てもらう場としたい、という思いを込めた”そうだ。

開催概要(pdf)

ただこの思いは本部企画の固めのセッションに偏り、より外に開かれている展示エリアやステージイベントとは別物のような扱いに感じた。
それはホームページの見せ方にも現れていた。(予算の問題もあるとは思うが・・・)

回を重ねて、コンテンツもインフラも充実してきたサイエンスアゴラ
秋の科学イベントとして定着してきたのはいいことだが、他の科学イベントと比べて多様性が売りのはず。
単なる子ども向けの科学イベントに収まらないように、
交わりそうで交わらない層の人たちのコンテンツを取り込んでいくためにも、異質を受け入れ、それを上手くつなぎ合わせる宣伝広報やアゴラ全体を俯瞰した導線の工夫が望まれる。


1)ニコニコ学会β「研究100連発」 in Science Agora(未来館一階アゴラステージ)

agora2014 (7)

・ニコニコ学会は「ユーザ参加型研究」を標ぼうする団体。
 アカデミアとビジネスに一般ユーザも加え、誰もが研究を楽しみ、研究を通じて交流を図る学会である。
 ニコニコと名がつく通り、ニコニコ動画の機能を活用してリアルとネットをつなぐ発表の場を展開している。
 昨年春に行われたシンポジウムのネット視聴者は50,000人を越えている。ネットユーザやMakersには人気の団体だ。

 ネット参加者とリアル入場者の大きな違いはあるものの。
 サイエンスアゴラの参加者数が7,000人~8,000人だからリーチ数を考えたら桁が違う。

 しかし残念ながらニコニコ生放送はなかった。てっきり視聴者コメントが流れると思っていたのに。
 アゴラの案内には「※今回はこれまで研究100連発が行ってきたニコニコ生中継はいたしません。ご覧になりたい方は、ぜひ、会場まで足をお運びください。」とあるので、あえて中継しないことにしたのは、会場にファンを呼び込む意図があったのかもしれないと勘繰ったてみたが、ニコニコ学会βの方のホームページにはアゴラに何も触れていないことからそんなこともなかったのか。

 オープンなスペースでのライブだったために、ちらほら立ち止って観る人はいたが、
 知らない人は、パッと見、何をやっているかわからないし、配布していたプログラムにも誰がどんなプレゼンするかは載っていなかったから、あの時間にたまたま通りかからない限り、ほとんどの来場者は知らずに終わってしまうだろう。

 内容的には光学迷彩の稲見氏をはじめ有名どころの研究者を揃えて魅せる研究発表だった。
 研究者自身がやるサイエンスコミュニケーションがやはり最強だと思わせるエンターティメント。
 それだけに勿体ない感じがした。


)夢ビジョン2020オープンセッション:第6回 できる?できない?サイエンスアゴラで私の未来をブレストする!(東京国際交流館3F国際交流会議場)
 
 こちらはセッションテーマというよりも、登壇者に八谷和彦氏が登壇されていたことが印象的。

 八谷氏といえば、ポストペットの生みの親、メーヴェの実機を作ってみたり、民間ロケットを飛ばそうとしている著名なメディアアーチストだ。
 前述のニコニコ学会と同様に、そっち方面の人たちには絶大な人気を誇る人。

 当日も”なつのロケット団”の紹介とか、JAXAや天文台の方と絡んでの宇宙話など、現代美術館や六本木辺りでやればそれなりに人が埋まるであろう話題。
 しかし残念ながら、会場はスカスカだった。正直これには驚いた。
 時間的に全部はみられなかったのだけど、そもそも、ホール周辺の展示、フロア自体が閑散としていた。

 これも宣伝や導線の設計次第では人を呼び込めるし、八谷氏目当てできた人をアゴラに引き込める絶好の機会となったんじゃないかなと思う。


3)コミケ系科学サークル連合(未来館1F展示スペース)

agora2014 (20)

 コミケには行ったことがないが、コミケでこうした団体がでているのは噂で聞いたことがある。
 こちらは、未来館内のメイン会場のブースにて、終日講義のようなことをやっていた。
 同人誌のつくり方はまだわかるが、Linuxのインストールの仕方とかを熱く語っていたのでもうカオスな感じだ。
 従来の彼らのファン層が話を聞いていたように見えたが、アゴラの一般来場者を取り込めたのだろうか。
 上手く交流が図れたのだとしたら、この連合はアゴラとして成功したといえるのじゃないだろうか。



おまけ。

だいぶ前から越境して、いまではすっかりなじんでいる人。

agora2014 (23)

ステージが拡がっている気がする。

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