21世紀の科学技術リテラシー第2回シンポジウムに参加してきた(備忘録)

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JST社会技術研究開発センター主催のシンポジウムへ参加するため
雨の中外苑前のTAPIAホールへ行ってきた。

「科学技術と人間」という研究開発領域の中の研究プログラム。
科学技術リテラシーに関して、誰のリテラシーを誰のためにあげるかという点を明確にしつつ、
実行の現場を学校制度に限らず、具体的に探り、提言し、実行していくらしい。
今回は17年度に採択された6プロジェクトの成果発表会。

プログラムはここ 

全般的にやや年齢層の高い20世紀な参加者が多かった気がした。のはおいといて。

各研究者が体当たりで研究してきた感じが伝わってきた成果発表。
また研究成果発表とパネルディスカッションの間にコーヒーブレイクを兼ねた
1時間半のポスターセッションがあった。
最初プログラムを見た時は「時間をとりすぎでは?」と思ったが、実際は時間が足りないぐらい、
登壇した研究員の方と直に話ができたり、他参加者と交流できたりとなかなか良いセッションであった。

成果発表で共通していたのは、
・一般市民の科学リテラシー向上は専門家とのコミュニケーションが肝となる。
・一般市民には一般市民が持つ知見がある。これと専門家の知識を組み合わせて役立てる。
・専門家が市民の方へ飛び込む。専門家も社会リテラシーが上がる。
・活動には金がかかる。関係者の協力、支援が必要。
・まずはやってみよう。

あとは内容盛りだくさんでまとまらないので聞いたこと備忘録代わりに。↓

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研究成果発表(敬称略、一部パネルディスカッションでの発言もあり)

●青柳みどり 独立行政法人国立環境研究所 主任研究員
 「気候変動問題についての市民の理解と対応についての実証的研究」

・気候変動問題への市民の理解を図るために、フォーカスグループインタビューを活用。
・科学技術に対する理解の差は個々人の理解力だけでなく、人生観(例としてキャリア観)
 に代表されるような個人と社会の関係にも左右される。
・科学者が高度な知識をもって調査・研究した結果を一般の人が直に理解することは難しい。
 知識差を埋める何かが必要。

●上林徳久 財団法人リモート・センシング技術センター 主任研究員
 「衛星画像情報を利活用した市民による自然再生と 地域社会再生のためのリテラシー普及」

・コミュニティーリモートセンシングを提唱。
 →研究利用や行政利用でなく地域の人が地域のために地域に必要なデータを
  衛星画像から抽出する。http://scienceportal.jp/highlight/2008/080606.html
・子供は子供なりの貴重なセンシング(地域情報)を持つ。
・研究を通じて、一般市民が持つ知見の可能性を強く感じた。
・専門家の道具を一般市民が使いこなすために、専門化が現場に出向く。

●左巻健男 法政大学生命科学部環境応用化学科 教授
「市民の科学技術リテラシーとしての基本的用語の研究」

・日常生活で必要と思われる、科学技術リテラシーとしての基本的用語を選定している。
・生活・健康編、環境編、生物編、地学編、化学編、物理編、工学・技術編の6編。
・700語を選定。WEBで公開中。http://kagiyogo.rika.org/index.html
・今春、技術評論社から発行予定。
 
●滝川洋二 NPO法人ガリレオ工房 理事長
「市民による科学技術リテラシー向上維持のための基礎研究」

・今後日本は人口が減少する(逆に世界は拡大)、高齢化が進み、地方は衰退する。
・だから今のうちに地域力をつけることが必要。
・地域の科学ボランティアは以外に多い。これは政府は気づいていない。
・科学の祭典で町を盛り上げる。自分(滝川氏の)の地元の中央線から攻めていく。
 ※東京国際科学フェスティバルもこの一環。
・地域には運営に長けた団体がいる。科学者は科学の整備、運営は得意なところに任せる。
 (ex 会場設営→商工組合、事務局→婦人会)
・日本と海外の教科書の比較も行っている。韓国と日本はリテラシー教育が極端に少ない。

●戸田山和久 名古屋大学大学院情報科学研究科 教授
「基礎科学に対する市民的パトロネージの形成」

・市民的パトロネージとは市民による基礎科学研究への援助。例として寄付。
・市民的パトロネージを得るには、市民と打ち解ける必要がある。
・科学喫茶、科学酒場の運営を成功(持続)させるには無理しないこと。
・そうすることによって参加者が主催者側にまわっていく。
・市民とのコミュニケーション経験をもとに、科学コミュニケーションのノウハウサイトを開発。
 「研究者のための科学コミュニケーションStarter's Kit」
 http://www.cshe.nagoya-u.ac.jp/scicomkit/
科学技術リテラシーには科学技術に加えて、人文科学の知識とコミュニケーションが必要。
・一般市民には”つっこみ力(批判的思考力)”がある。
 →(青柳氏の「知識差を埋める何かが必要」に対して)

●松井博和 北海道大学大学院農学研究院 教授
「研究者の社会リテラシーと非専門家の科学リテラシーの向上」

・研究者と非専門家のお互いの理解を深めるため3段階の対話モデルを用いた。
・小規模対話フォーラム→円卓会議→大規模対話フォーラム。
・研究者の態度の変化(研究者の社会リテラシーの向上)は市民側の態度を変化させる。
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.01 2009 サイエンスコミュニケーション comment2 trackback2

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K_Tachibana
研究者のための科学コミュニケーションStarter's Kitのリンクページはたいへん参考になりました.
2009.02.01 04:03
m322
アウトプットの方法が具体的に書かれていますね。
私は研究者ではありませんが、参考になる部分も多かったです。
「地域社会で協働する」コーナーには、同じく「科学技術と人間」という研究開発領域プロジェクトに参加しているガリレオ工房の地域連携ノウハウを反映すればコンテンツがより一層充実するかなと思いました。
2009.02.02 00:07

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2009.02.01 03:42 Science and Communication
以前のエントリー・「美容・化粧品業界にもサイエンスコミュニケーションを。」に、 サイエンスコミュニケーションというものに興味を持ったので、 その実践の場であるサイエンスカフェに行ってみるということを書きました。 ※サイエンスコミュニケーション (Wikipe...

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