科博のリニューアルは思いのほか科博だった。「国立科学博物館地球館リニューアルオープン」




昨年の9月から10カ月ほどかけたリニューアル工事も終わり、
ようやくお披露目となった国立科学博物館の地球館北側。

事前公開されていた動画を見た感じでは、映像や装置を多用したオシャレ未来館的展示になるのかなと思っていたら、そこは自然史・科学技術史に関する総合博物館である国立科学博物館

標本や資料を有効に組み入れて地球史・生命史・自然法則・科学技術、地球をダイナミックに辿れる博物館的分野融合な展示だった。




それは一階に入って最初に目にするシンボル展示が物語っている。

【1F 地球史ナビゲーター】

アロサウルス、ひまわり一号、隕石が並んで展示されているのだ。
科博地球館リニューアル (5)

日本で初めて科博で全身を復元した恐竜骨格、
日本初の人工衛星のプロトタイプモデル、
そして46億年前に形成されたカンボデルシエロ隕石。

いずれも、各研究分野を代表する貴重な標本。
通常ならそれぞれの研究エリアで別々に展示されるであろう標本が一堂に会することにより、科博の地球館に来れば、生命、宇宙、自然の仕組みを探る科学、それを活用した技術を俯瞰的に捉えられるということをアピールしているようだ。

さらに会場の周りをグルリと取り囲むのが、宇宙誕生からの138億年、現代までのタイムライン。

科博地球館リニューアル (8) 科博地球館リニューアル (12)

こちらも様々な分野の標本が、ひとつの大きな時間軸の上に同列に並べられていた。

科博地球館リニューアル (13)

歴史民俗博物館のような、ある種雑多な融合展示は、科学博物館では珍しいのではないだろうか。


もちろん、いかにも科学博物館的な展示は、いままで以上に科学博物館だ。

【B1 恐竜の謎を探る】

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ティラノサウルス、トリケラトプスなどのスター恐竜の全身骨格が微妙にマイナーチェンジして、絶妙な配置替えによって、更に迫力を増していた。
科博地球館リニューアル (17)

科博地球館リニューアル (19)

常設展示ならでは安定感に、リニューアルの新鮮さを加えた展示だ。
科博地球館リニューアル (25)


【B3 自然の仕組みを探る】

地下深く、科博の研究者を地味に紹介していたエリアはノーベル賞受賞者を中心とした研究者という人にフォーカスした展示に様変わりしていた。

科博地球館リニューアル (34)

パネルとともに、それぞれの有名研究に使われたグッズが並べられていて、見る人がみれば溜息物だろう。
科博地球館リニューアル (35)

ただ、研究者の写真が白黒のせいか、配置のせいか、何か全員故人のようなイメージを受けてしまうのは自分だけか。


グッズというには大き目な、こんな加速器もででんと置かれていた。
科博地球館リニューアル (31)

若干唐突感は否めないが、本物の魅力の前にはそんな疑問も消え失せる。
科博地球館リニューアル (32)


【2F 科学技術で地球を探る】

今回のリニューアルで個人的に一番気に入ったのがここ。
科博地球館リニューアル (36)

以前は、ガキ共が子どもたちが走り回っていた「たんけん広場・身近な科学」があった場所だ。
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グッと照明を落としたエリアは、すっかりアダルトな感じに変貌していた。
科博地球館リニューアル (38)

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観測や解析技術の発展に伴い、その測定値を表現するためには映像をつかったデジタルな仕掛けが必要だったと思われ、映像を見せるために全体的にトーンを抑えた展示になったのだろうか。

とはいっても、身近な科学の原理を体験する装置は健在。
科博地球館リニューアル (41)

理解を深める歴史的資料も随所に置かれている。それもおしゃれに。
科博地球館リニューアル (44)

また、ここでも分野融合的な展示があり。

最先端の超高感度3D方位磁石を展示しているすぐ近くに、
科博地球館リニューアル (50)

磁気や電気に関連した、鳥や魚や貝が紹介されていた。
科博地球館リニューアル (51)

大人が楽しめるとともに、うまく誘導すれば子どもも遊べる展示。
初台のICCと台場の未来館に丸の内のインターメディアテク を足して3で割ったようなエリアだ。


全般的に大人受けしそうな展示が増え、対象年齢層を上げたのかなと感じていたが、最上階に小さなお子様向けスペースが用意されていた。
こちらは子供に人気の「たんけんの森」があった場所だ。

【3F 親と子のたんけんひろばコンパス】
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森はなくなり、広めのキッズスペースに様変わり。
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どこぞのキッズスペースと異なるのは、随所に本物の標本が置かれていることだ。
科博地球館リニューアル (63)

迷路のような立体的な構造物は遊びながら剥製を観測することができるようになっている。
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通常ではありえないアングルから動物をみられる。動物園でもできない体験がここでは可能。
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たまに生きた本物を置いておいたらスリルがあって面白いのではないか。そんなことはないですね。
科博地球館リニューアル (67)

ティラノサウルスだってこの通り。
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ガキ共お子様たちが騒ぎまわる光景が目に浮かぶ。

つい大人もはしゃぎたい気持ちになるが、ここはこどもとその保護者のためのスペース。
入場整理券による当日予約制の展示室らしい。

 >コンパスとは

一回45分、定員は45名。一日6回。
土日は混雑必須だろう。
展示企画者に聞いたところ、この人数をたった2人~3人の担当者で面倒をみるというから、かなりカオスな状態になるのではないだろうか。混乱も含めて親子のふれあいの場なのか。

科博地球館リニューアル (74)

待ってる間は外から覗こう。
科博地球館リニューアル (61)

今回紹介した展示はリニューアルのほんの一部。
リニューアルしてない南側や日本館だって魅力的な展示は盛りだくさん。

国立科学博物館の数百万点を超える収蔵品から選び抜かれた良質のコンテンツ。
新しい中に、今後数年間色あせることのないように選定された標本の数々。
研究者の矜持が垣間見れる常設展。

特別展もいいけど常設展もね。

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.14 2015 展示 comment0 trackback0

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