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浮世絵ビジネスの萌芽 「初期浮世絵展−版の力・筆の力−」

初期浮世絵展

千葉市美術館の開館20周年記念展として開催された

 「初期浮世絵展−版の力・筆の力−

に行ってきた。(だいぶ前だけど)

鮮やかでクールな浮世絵を描いた国芳、國貞、北斎達より何百年も古い初期の浮世絵
巷で開かれている浮世絵の展覧会では入り口近くにちょろちょろっと配置されているだけのことが多い時代の作品。
まだ浮世絵という言葉が文献に現れる以前、作家の名前さえ定かでない時代から浮世絵の始祖と言われる菱川師宣の時代までの作品を集めた珍しい展覧会だ。

 《美人立姿図(無款)千葉市美術館蔵

菱川師宣が誕生した千葉県に建つ千葉市美術館は元々多くの江戸絵画、浮世絵のコレクションを保有する。今回はさらに海外や個人蔵のレアな作品が並べられていた。

 《『武家百人一首』(菱川師宣千葉市美術館蔵》 浮世絵発祥の作品といわれるもの。

パットしない色遣いもあって、いままで特に興味がなかった初期浮世絵だが、貴重な作品を歴史を紐解きながら眺めると、後に続く浮世絵発展のベースがここで創られていることがいろいろ分かって面白い。

より多くの庶民が手に取ることができるように、絵師を始めとして制作者側は人々が興味をもつ「浮世」の画題に努めた。さらに木版画にすることにより量産化を実現し、低価格、薄利多売でなりたつビジネスを確立していった流れが見られる。

 《獅子舞((無款)杉村治兵衛)平木浮世絵財団蔵》
 《金太郎と熊(初代鳥居清倍)ホノルル美術館蔵》
 《役者大首絵尽し((無款)鳥居派)千葉市美術館蔵》
 《元祖清信図 初代市川団十郎と山中平九郎(鳥居清峯(二代鳥居清満))ホノルル美術館蔵》
 《「元祖才牛団十郎」(歌川豊国)千葉市美術館蔵》

 《清水の舞台から飛び降りる娘(石川豊信 )ホノルル美術館蔵》 あぶな絵
 《風に悩む美人(鳥居清広)大英博物館蔵》

原価を押さえながらも美への追求も忘れない。

採算と美しさを両立させるため、黒摺絵を基本としながら一部のみ彩色したり、丹絵、紅絵、と少しずつ色合いを増やしていった。

 《曽我物語((無款)菱川師宣)川口元氏蔵》モノトーンなのに躍動感あり。

 《二代目市川団十郎の虎退治(初代鳥居清倍)千葉市美術館蔵》 トランプの絵がらのような構図。

肉筆画においても、量産方式が試みられている。後期の美人画と違って、懐月堂派の作品に見られる豪快な筆遣いは、より早く仕上げるための工夫だそうだ。

 《立美人図(懐月堂安度)千葉市美術館
 《立美人図(松野親信)千葉市美術館》

私的な摺物を版権を得て依頼者の落款を削り取り「東錦絵」と冠し商品として初めて売り出した記念すべき作品も展示されていた。

 《坐舖八景 台子夜雨 ((巨川落款)鈴木春信)千葉市美術館蔵》
 《座鋪八景 台子夜雨((無款)鈴木春信)千葉市美術館蔵》


シンプルな中に様々な工夫がみられる初期浮世絵。
味わい深い。


その他気になった作品。
浄瑠璃十二段草子 吹上((無款)杉村治兵衛 )千葉市美術館蔵》 東南アジア風 龍
志道軒(奥村政信)千葉市美術館蔵》 細長い柱絵
《乗鶴美人図(宮川長亀)公益財団法人 摘水軒記念文化振興財団蔵 》




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開館20周年記念展 初期浮世絵展-版の力・筆の力-

開館20周年記念展 初期浮世絵展-版の力・筆の力-
会期:2016年1月9日(土)~2月28日(日)10:00-18:00(金土20:00) 第1月曜日休館 年末年始(12月29日-1月3日)
会場:千葉市美術館(千葉・千葉)
概要:大英博物館、シカゴ美術館、ホノルル美術館など海外から貴重な浮世絵が里帰りする、日本初の初期浮世絵展
URL:http://www.ccma-net.jp/exhibition_end/2015/0104/0104.html

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2016/03/25 20:00 | 展示COMMENT(0)TRACKBACK(0)  TOP

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