洋画家が蒐集した浮世絵 「国芳イズム―歌川国芳とその系脈 武蔵野の洋画家 悳俊彦コレクション」

国芳イズム (1)

東京は練馬区美術館で開催中の

 「国芳イズム―歌川国芳とその系脈 武蔵野の洋画家 悳俊彦コレクション

を見てきた。

洋画家が個人的に蒐集したちょっと風変わりな国芳コレクション。


悳俊彦氏は地元武蔵野の洋画家。青空骨董市や古書店で1,000円くらいで売られているものからコツコツと蒐集していったらしい。そのためか色合いがいまいちだったり、傷があったりと状態が良くないものも結構あったが、他では見かけたことのない初見の作品が多く見うけられた。

珍しい中判錦絵という少し小さめのサイズの版画《通俗水滸伝豪傑百八人之内 短命二郎院小五》と《通俗水滸伝豪傑百八人之内 活閻羅院小七》の2作品は淡い水色の膜がうっすらと描かれていて水中の様子が見事に表現されていた。

国芳文様とも言える鮮やかな刺青や猫髑髏を背負ったアウトロー達を描いた「国芳もよう」シリーズ《国芳もよう 正札附現金男 野晒悟助》や《国芳もよう 正札附現金男 唐犬権兵衛》は札付きの悪者とはいえ粋でクール。(キャプション曰くヤンキーのストリートファッション)
国芳もよう 正札附現金男 野晒悟助 国芳もよう 正札附現金男 唐犬権兵衛

国芳作品では一番好きな作品の一つである《讃岐院眷属をして為朝をすくふ図》と、有名どころの《相馬の古内裏》に、初見の《大江山酒呑童子》、と《源牛若丸僧正坊二随武術を覚図》を加えて、大判錦絵3枚続が4つ並ぶ様は圧巻。

ユーモラスな魚類が埋め尽くす《龍宮城 田原藤太秀郷に三種の土産を贈》は今年のベスト作品候補だ。
龍宮城 田原藤太秀郷に三種の土産を贈


また版画だけでなく、下絵から淡い肉筆画まで幅広いジャンルが揃う。

一転して写実的な《鼠よけの猫》
珍しい象を描いた《二十四孝童子鑑 大舜 》
シンプルな筆タッチの肉筆画《舌切り雀図》《円窓美人》
役者の振る舞いや衣装がびっしりと描きこまれたデッサン集《国芳芝居草稿》

気になった作品を上げていくときりが無くなるくらい充実のコレクション。

3月にはBunkamura ザ・ミュージアムにて『ボストン美術館所蔵 俺たちの国芳 わたしの国貞』、秋から太田記念美術館国芳ヒーローズ~水滸伝豪傑勢揃』と、次々に歌川国芳をテーマにした展覧会が開催される予定だが、国芳好きならこちらの展覧会もお見逃しなく。

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国芳イズム―歌川国芳とその系脈 武蔵野の洋画家 悳俊彦コレクション

国芳イズム―歌川国芳とその系脈 武蔵野の洋画家 悳俊彦コレクション
会期:2016年2月19日 (金)~4月10日 (日) 10:00~17:30 月休館
会場:練馬区立美術館(東京・中村橋)
概要:初公開の作品を多数含む幕末・明治期の浮世絵コレクションと悳氏の油彩画を紹介
URL:http://www.neribun.or.jp/web/01_event/d_museum.cgi?id=10276

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会場である練馬区美術館の周りはユニークな動物の彫刻が置かれたのんびりした緑地。
国芳イズムに充てられて興奮した気持ちをクールダウンするのに丁度よい。
国芳イズム (2)
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