鮮やかすぎる「ボストン美術館所蔵 俺たちの国芳 わたしの国貞」

俺たちの国芳 (1)

東京は渋谷のBunkamura ザ・ミュージアムで開催中の

 「ボストン美術館所蔵 俺たちの国芳 わたしの国貞

を見てきた。

江戸時代の摺られた版画とは思えない鮮やかな色見に、グラフィックデザインのようなリズミカルな構図に驚嘆。



本展は日本美術コレクションで国外では世界一として知られているボストン美術館所蔵の世界有数の浮世絵コレクション展示
これらは近年までほとんど一般公開されてこなかったらしく、保存状態がよくまるで摺りたてのような鮮やかさを保つ。

俺たちの国芳 (3)

さらに驚くことに、普通の浮世絵展示だと作品保護のために大抵はライテング控えめの薄暗い状態で観るのが常なのに、本会場はとても明るい。ガラスケースもなく、額に納められた作品を至近距離で観ることができるからより一層鮮やかなのだ。
どうやら今回使用した額装にとりつけられた透明フィルム(ガラス?)は光に強い特殊な保護素材でできているらしい。

俺たちの国芳 (4)

歌川国芳の定番、水滸伝シリーズや大判錦絵三枚続は迫力三倍増し、歌川国貞のグラフィカルな役者絵、美人画は現代アートにしか見えないほどポップさが際立っていた。

俺たちの国芳 (2)

その中でも一番目を惹かれたのが、国貞の小さな三枚続きの作品だ。

《二代目岩井粂三郎の揚巻、七代目市川團十郎の助六、三代目尾上菊五郎の新兵衛(歌川国貞)》

ポーズを決めた役者のバックに拡がる花がかすかに浮き上がる。
エンボス加工されて白地に白い花が浮き出て和菓子のような高級感。
版木に絵の具をつけずに強く摺って凹凸を出す「空摺」という摺の技法だ。
鮮やかな色見の浮世絵だとより一層浮き出た白が映える。

会場の出口付近にはこの「空摺」についての説明映像と共に、実際触れるサンプルも置いてあるのでこれから行く人はお見逃しなく。


ピンクと黄緑をメインカラーにしたチラシからしてスタイリッシュな展示会
国宝や重文など堅苦しい展示ケースの中では感じられない明るさ楽しさ。

これこそ庶民が親しんだポップカルチャーな浮世絵の本来の姿なのかもしれない。


●気にいった作品
《本朝水滸伝剛勇八百人一個膳臣巴使(歌川国芳)》
《国芳もやう正札附現金男 野晒悟助(歌川国芳)》
《当世好男子伝 松(歌川国芳)》
《当世好男子伝 竹(歌川国芳)》
《鬼若丸と大緋鯉(歌川国芳)》
《木曾街道六十九次之内妻龍 安部保名 葛葉狐(歌川国芳)》
《頼朝公御狩ノ図(歌川国芳)》
《当世商人日斗計 日九時(歌川国芳)》
《四季遊観 納涼のほたる(歌川国芳)》
《初雪の遊戯(歌川国芳)》

《讃岐院眷属をして為朝をすくふ図(歌川国芳)》大判錦絵三枚続

《二代目岩井粂三郎の揚巻、七代目市川團十郎の助六、三代目尾上菊五郎の新兵衛(歌川国貞)》
《筆魁曾我福贔屓(歌川国貞)》縦に3枚
《「大当狂言ノ内八百屋ぉ七(歌川国貞)》
《「秋野七草穠乃景((歌川国貞)》グラフィックデザイン
《「御誂三段ぼかし」(歌川国貞)》
《「五人男揃浴衣(歌川国貞)》
《浮世人精天眼鏡(歌川国貞)》
《集女八景 粛湘夜雨(歌川国貞)》
《田子のうら風景(歌川国貞、歌川広重)》

《浅草 雷神門之光景(歌川国貞)》

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ボストン美術館所蔵 俺たちの国芳 わたしの国貞

ボストン美術館所蔵 俺たちの国芳 わたしの国貞
会期:2016年3月19日(土)~6月5日(日)10:00~19:00(金土~21:00)無休
会場:Bunkamura ザ・ミュージアム(東京・渋谷)
概要:世界に冠たる浮世絵コレクションで知られるボストン美術館より、幕末に絶大な人気を博した二人の天才浮世絵師、歌川国芳と歌川国貞の選りすぐりの作品で、江戸の世界を体感。
URL:http://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/16_kuniyoshi/

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2016/05/06 02:00 | 展示COMMENT(0)TRACKBACK(0)  TOP

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