珍しい魚譜展示 「江戸の博物学 ~もっと知りたい!自然の不思議~」展

江戸の博物学


東京は世田谷にある静嘉堂文庫美術館で開催中の

 「江戸の博物学 ~もっと知りたい!自然の不思議~」展

を見てきた。

作品点数こそ少ないが日本の博物学を辿る貴重な資料多し。





本展は本草書の歴史をたどりつつ、それと並行して江戸時代の人々に西洋博物学がどのように受け入れられてきたのかを紹介している。本草書とは中国の薬物についての知識をまとめた書のこと。
「草」とはついているが、薬草にかぎったものでものなく、私たちをとりまく自然に存在するモノについて幅広く取り上げられている。
時代は江戸、西洋博物学が日本に受け入れられていく軌跡をたどれる。

有名な≪解体新書(杉田玄白他)≫や日本人による初めての本格的な本草書≪大和本草(貝原益軒撰)≫など重要資料をはじめ、人魚、一角、木乃伊といったキワモノを記録した《六物新志(大槻玄沢)》まであり、まさに博物学という感じ。

透き通るように青いアジサイが美しい《FloraJaponica(フィリップ・フランツ・フォンシーボルト著)》、色鮮やかな植物が大胆な構図で描かれた日本最初の本格的彩色植物図録《本草図譜(岩崎灌園)≫は「画」としても見ごたえのある書物だ。

そして意外や意外、魚介類の作品が多い。

日本で最初に著された魚介のみの図録。
《日東魚譜(神田玄泉撰)》
食用・薬用となる魚介233種の絵に漢文の解説付き。

渡辺崋山の珍しい魚の絵。
《遊魚図(渡辺崋山)》

中国の八吉祥のひとつとされる「双魚紋」を表したと思われる魚を2尾向かい合わせに繋いだ紋様。
フグが愛らしい。《魚尽し蒔絵螺鈿印篭》

圧巻は今回初公開の《鱗鏡(うろこかがみ)》
鯛からナマズまで全263種の魚類が緻密に描かれている。
代表的な生作品がみられるほか、壁には一覧(印刷)が貼られていて、全263種を眺めることができる。

大野麥風のような鮮やかさはなく、長嶋祐成さんほどの繊細さはないが、愛嬌のある表情と動きのある構図は観ていて楽しい。
作者の魚類への愛を感じる作品だった。

アート好きも、科学好きも、歴史好きも、魚好きも、もちろん博物好きもみんなが楽しめる展示

8月7日(日)まで。

------------------------------------------
江戸の博物学 もっと知りたい! 自然の不思議

江戸の博物学 もっと知りたい! 自然の不思議
会期:2016年6月25日(土)~8月7日(日)10:00~16:30 月休館
会場:静嘉堂文庫美術館(東京・二子玉川)
概要:本草書の歴史をたどりつつ、それと並行して江戸時代の人々に西洋博物学がどのように受け入れられてきたのか紹介。
URL:http://www.seikado.or.jp/

------------------------------------------


関連エントリー
個性をまとった博物画 「魚の肖像」 魚譜画家 長嶋祐成個展
書物を紐解き魅せる展示 「解体新書展」
美術館でサイエンスビジュアリゼーション 「大野麥風展 「大日本魚類画集」と博物画にみる魚たち 
毎日が夏休み的な江戸の粋 「花開く江戸の園芸」展
写真よりリアル? 『博物図譜とデジタルアーカイブ』行ってきたメモ
「理科美術展2009」の理科美ってなんだ?(追記あり)


関連記事
.02 2016 展示 comment0 trackback0

comment

post comment

  • comment
  • secret
  • 管理者にだけ表示を許可する

trackback

trackbackURL:http://btobsc.blog25.fc2.com/tb.php/846-cb0282b0

プロフィール

k_2106

Author:k_2106
科学好き
博物館好き
魚好き


このブログ方針みたいなもの"

最近の記事

●全ての記事はこちら

フリーエリア

タグcloud

ブログ内検索

ブロとも申請フォーム

QRコード

QRコード

コメント・ご質問はこちらまで

名前:
メール:
件名:
本文:

カウンター